東アフリカ-植林事業-

マダガスカル


NVCマダガスカルツアー報告-2001年10月13日-


写真1.土嚢積み

写真2.水路掘り

写真3. 木柵工

写真4. 回復しつつある侵食地

0.はじめに
 昨年(2000年)12月、これまでベトナムでの学校建設・物資の提供、その他の地域への緊急支援を主としていた活動をしていたNVCが、労働力で奉仕するためにマダガスカルへ渡った。労働力での奉仕はNVCとしては初めての試みであり、また、この活動はNGOとJICA(国際協力事業団)が協力して行うという日本でも初めての試みであった。前回の活動がマダガスカルにおいて大変評価され、今年8月2回目の活動を行うことができた。今回は、NVC代表多賀秀敏早稲田大学教授を筆頭に、NVC学生会員として新潟大学から5名、富山大学から学生6名、早稲田大学から9名、そしてNVCがインターンシップとして受け入れた早稲田大学の学生6名、総勢27名が参加した。作業において、マダガスカル人に比べれば非力なわれわれであったが、この報告書を通じて、多くの方が今地球上で何が起こっているのか、少しでも理解され、興味を持っていただけたら幸いである。

1.マダガスカルの現状
 現在マダガスカルでは深刻な森林破壊が進んでいる。その一番の原因は、森林の再生能力を考慮に入れたサイクルで行われていた伝統的焼畑農業が、人口増加や社会の変革で崩壊し、森林に対する知識のない人間が無理な焼畑農業を行っているためである。森林破壊の影響は、森の消失だけでは終わらない。森林が破壊されると、その周辺の土壌が流出し河川流域の田畑が被害を受け、マダガスカル人の主食である米の収穫高が著しく減少する。そのため、マダガスカルでは森林破壊の防止および、森林の再生が急務となっている。この対策として数々の施策が試みられているが、資金、行政能力、社会変革等、様々な制約があるため、いまだ根本的な解決に至る政策は出てきていない。

2.作業内容
 マダガスカルでは左(写真1)のような山の崩落面を至る所で目にする。前回・今回とこのような崖に赴き、土壌流出防止のための土嚢積み・木柵作り、侵食箇所への水の流出を防ぐ水路堀、水路のふちを強化させるために植える植物の苗つくりを行った。土嚢はその場で作り、一袋は100kgを超える。3段2列に積み上げた後、両脇に木の杭を打ち、上から砂をかぶせる。山の上では、崩落面を囲うように水路を掘る。雨水が侵食箇所ではなく、侵食されていない山の裾に流れ出るようにするためだ。幅約50cm、深さ約20cm、非常に硬いラテライト質の土壌に、腕力のみが頼りの現地のスコップでの作業は、大変困難なものであった。水路を掘り終えると、水路の崩落面側にベティベールという根の強い植物を植える。また、村人の工夫で、今回から水路に防砂のための木柵を設け、水はけの効率をあげる試みをした(*注1)。
 左の写真(写真3)は木柵工である。土嚢積みを行った箇所に比べ、狭い流域に施すものだ。杭を打ち、細く切った木を網状に組んでいく。そして、出来上がったものの間にわらを敷き詰めていけば、木柵の完成だ。侵食箇所ではこのような作業を繰り返し行っている。最後に、最も土砂が集まり、力の加わる箇所の入り口には、コンクリート製のダムを作る。この土砂流出防止作業は、今年(2001年)1月の大雨の際、大量の土砂を堰き止めることに成功した(*注2)。そのため、全国各地の国会議員・地方自治体の首長・地元のNGO・テレビ局が見学に訪れ、参考にしたり、実際に施したりしている。これからの波及効果を期待したい。

3.作業を終えて
 上記の作業を終え、雨季を迎えると、多量の土砂が川に向かい流れ出す。その土砂は設けられた土嚢、木柵によって塞き止められその場に留まる。やがて、土壌が安定すると、右の写真のようにシダや草が生い茂り、木を植えると育ち始める。徐々に回復を始めるのだ。気の遠くなるような作業ではあるが、大地が緑で覆われる日を夢見て、この作業を続けていきたい。

【基礎データ】
マダガスカル共和国(Republic of Madagascar)
面積 587,000ku(日本の1,6倍)
日本からの距離 約127,000km
人口 約12,000km
人種 黒人系、マレーシア系、約18の部族からなる
言語 マダガスカル語、フランス語
宗教 キリスト教58%、アニミズム37%、イスラム教5%
GNP 27億4100万米ドル(1998)
一人当たりGNP 260米ドル(1998)
為替レート 1ドル=約6.3マダガスカルフラン
主要産業 農牧業(米、コーヒー、バニラ)、水産業(エビ、マグロ)

4.参加者の感想
 -省略-

*注1 水路を流れる水の流れ(水流)によっても(水路内の)土壌は削られる。このため、木柵は水流の速さを抑える。
*注2 ただしこの作業の後いくらかの手は加えてあります。
*注や一部の()内の表記はweb作成者が書き加えたものです。